制作部の小山、高齢者です。
老いさらばえた肉体に地獄の業火を放つがごとき夏の猛暑に
強い怒りを感じる今日この頃ですが、
私も若い頃は、じりじりと肌を焼くお天道さまと大海原が大好きな
夏の男で、スキューバダイビングやウインドサーフィンをたしなみ、
番組ロケと言えば、漁船に乗っていました。
特に沖縄の海が好きで、よく海人の仕事を追っかけていました。
今や、沖縄に行く力さえありませんが・・・大阪で強い日差しを感じる一瞬、
沖縄の海や空、サトウキビ畑、褐色に焼けた海人、おばあやおじいの顔が
フラッシュバックするので、その刹那だけ沖縄の風を感じております。
さて、7月に入り日差しが強くなったころ沖縄が舞台の小説が出版され、
「こりゃいいわ! 沖縄気分に浸ろう」とさっそく購読。
大阪の元放送作家、浜口倫太郎さんの作品『お父さんはユーチューバー』。
宮古島の海辺のゲストハウス「ゆいまーる」に集う人々の物語です。
これを通勤電車で楽しく読んでいたのですが・・・
物語の終盤で突如涙があふれ出し、嗚咽をこらえきれずに、うううっ…。
涙フキフキ鼻水ズルズル、うううっ…フキフキズルズル、うううっ…
嗚呼! 大いなるカタルシス。
涙とか嗚咽が出るとですね、気持ちがいいもんです。
あと、涙や鼻水が出たのでデトックス効果もあったんでしょう。
なんかその日は、すこぶる体調が良かったような・・・
あっ、そうそう。
原田マハさんの第1回「日本ラブストーリー大賞」大賞受賞作品
『カフーを待ちわびて』も、夏の健康にはおススです。
沖縄の与那喜島(伊是名島がモデルとされる)が舞台。
作中を通して感じるのは、情熱を含みながらも優しく爽やかに吹き抜ける海風。
ある日、ガジマルの木の下に佇む白い帽子とワンピースの女性。
嗚呼! もうそれだけで、不快にまとわりつく大阪の暑気と湿気を
取り払ってくれるのですが、
「もし〇〇の言葉が本当なら、私をあなたのお嫁さんにしてください」
なんてことを言われると、嗚呼!
暑さでグダグダになっていた私はピュアな心を取り戻し、
なんと若返ってしまったのです! びっくりです。
胸がキュンキュンして血行も良くなりました。多分。
血行が良くなれば、冷房による冷えや食欲不振は解消されます。
これはもう、夏バテ防止小説と言えるでしょう。